言葉で通信するアナログゲーム デクリプト[Decrypto]

 GWのボドゲ会で、カタンをやったあとに開封したのがこれ。

デクリプト

デクリプト

 時間が無くて1ゲームしかできなかったのですが、
 めちゃくちゃ面白くてまたやりたくて仕方がないです。

ゲーム概要

 この方の紹介記事が分かりやすくて良いので是非ご参照ください。
nicobodo.com
 簡単にいえば、単語と数字を対応させて、関連語を使って味方と通信をするゲームです。
 曖昧な関連語を使うことで、しっかりと相手からの盗聴を防げるかが勝敗を分けます。

遊んでみた

 通信の鍵となる単語カードは赤フィルムを通さないと読めないよう印字されていて、付属のボードに差し込むとこのように手前側(敵チームが対面になるように座って遊びます)だけに見えるようになっています。
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(ドラゴンボールのカードダスのステータスの読み取りとか、雑誌のおまけで付いてきた3Dメガネを思い出します。)

 このゲーム、勝敗条件の設計が絶妙で。通信側にいるときに「自チーム内で通信ができた」ことではポイントが稼げず、盗聴側に回った際に「相手チームの通信を盗聴できた」ことでポイントが稼げ、しかも「自チーム内で通信ができなかった」場合には通信側にペナルティが課されてしまうんですよね。
 これにより、安易に味方との通信の成功だけを考えた言葉選びはできません。自チームで共有している単語と数字の対応表を推測されてしまうことが相当の痛手になりますので、味方には知らせたいけど相手には知らせられない状況です。結果、言葉選びに頭をめちゃくちゃ捻ることになりました。

 こういう知恵の出し合いに重きのあるゲームなので進行がグダりそうなもんですが、各ターンの終わりに通信側の自チーム内での通信結果も公表されて数字カードも公開される設計がそれを防いでいますね。ほぼ毎回6つの関連語の正解発表があるようなものなので、1ターン1ターンでかなり情報量が増えていくのでスピード感も◎です。
 それと同時にみるみる言いかえで使う語も限られていって苦労します。なんていうか、推測されちゃう気しかしないんですよね。盗聴でポイントが入るせいで、盗聴する側の気持ちに過剰に入り込んでしまいます。結果、メンタルはサトラレ化します。
 友人あぽかんさんは中盤から相手の自チームでの通信の様子もかなり情報になることに気づき、真顔プレイを決めていました。

 また、単語そのものを当てる必要がないシステムにしているのも素晴らしい。運で適当に書いた数が1つ2つ当たっても、そこから次のターンで使える情報は引きだせません。むしろ相手の単語がより分からなくなって混乱したりします。特に序盤は当たっても外れても「え?」とか「は?」とか言う言葉が漏れちゃいますね。
 そのわけわかんなさが劇的に理解につながる快楽(これを身内語では「急速理解」と言います。)を何度も味わえる良ゲーです。

プレイ記録

 序盤はええんですよ、ボキャブラリー崩壊の本番は4ラウンド目あたりからですよ。

 例えば、今回対戦した相手側の立場で言えば、引いた単語セットがこう。
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 日常生活で「ダンス」を「ダンス」と察されずに4つも5つも関連する言葉を考えたりしないじゃないですか。こういうまあまあ日常になじんでる言葉こそ、相手にすぐ察されそうで逆にしんどかったのではと思います。

僕らチームの単語セットはこう。
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 「地球」はいろんな言いかえで味方に連想させやすかったんですけど、終了間際には相手にも察されていた感じがしました。
 一方で、「医者」はかなり曖昧な言葉で通信できたので、相手からするとこちらの「4」の傍受がやりづらそうでした。
 個人的には、「綿」の言いかえが相当きついなあと思っていて、お裁縫関連の用語を使いすぎるとすぐに「2」に対応付けられそうだなと警戒していたのですが、味方が「針」を「医者」に、「縫い針」を「綿」に対応させるという、初プレイとは思えないトリック攪乱プレイ!見事に相手の傍受を防いでくれました。
 そして順調に盗聴も進んで完封勝利。マーベラス。またやろう!

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(専用のメモ用紙が付属していて、使い勝手もいい感じでした。各ターンごとに、通信に使われた語、数字欄の縦1列目に相手の数の推測、縦2列目に相手チームの通信結果を書き込めます。裏表で通信側・傍受側で使い分けられるようになっているのも良いですね。)

余談

説明書のプレイ例のプレイヤー名が、「ボブ」と「アリス」でした。
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単語カードはどっさり収録&裏・表・上・下で使い分け可能で
よっぽどやり込まない限り単語リストを暗記してしまうことはなさそうです。

すごろくやさんの日本版ご制作、グッジョブです。
こういった形のゲームは今まで避けて来てたんですが、面白いですね。大発見でした。

このデクリプト、なかなか人気のようなので、
今後の単語拡張パックにも期待したいところ。
「日本向け単語パック」なんてあったら楽しそうだなあ。

デクリプト

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